15点
9.0 〜 13.8cm × 6.5 〜 8.7cm

吹上遺跡出土品(ゴホウラ貝輪)

  吹上遺跡は大分県日田市北部の吹上原台地に所在し、県史跡に指定されている。1995年度の調査で、弥生時代(紀元前3世紀〜1世紀)の有力者の墓とされる甕棺墓(かめかんぼ)7基、木棺墓3基が見つかった。副葬品からは、銅剣や銅戈(どうか)などの武器類、貝輪、勾玉などの装飾品が多数出土し、そのうち577点が2010年に重要文化財に指定された。
 4号甕棺墓の棺から出土した成人男性とされる被葬者の右手には、15点のゴホウラ製の貝輪が着装されていたが、着装状態で発見された希有な事例といえる。ゴホウラ貝輪は素材も脆く、定期的に水漬けする脆弱な状態で出土したため、出土時に応急処置を施したが、出土後15年を経過し応急処置面の剥落、復元箇所の剥離などが生じている。
 出土品全体の修復は9ヵ年計画で行っており、今年度はその3年目となる。

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