殷代青銅器(鴟鴞尊(しきょうそん))の修復
 

 ミネアポリス美術館は、ミネソタ州最大の都市ミネアポリスに1883年に設立され、現在、世界各地の約9万点を超える美術品を所蔵している米国有数の美術館である。そのうち、浮世絵約2,500点を含む日本美術約1万点のコレクションは、質量ともに世界的にも高い評価を受けている。
 修復対象は、紀元前13〜12世紀に遡る中国殷代の青銅器で、現存するふくろう型青銅器数点の一つとして非常に希少性が高いものである。20世紀初頭にバラバラの状態で発掘され、1950年米国に渡る前に組み立てられた。
 その可愛らしい姿は子供たちの人気を博していたが、2023年4月に落下により大きなダメージを受けたため日本の工房へ移送して修復を行なうものである。

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