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作者不詳 絹本著色 「羅漢図」(縦85.5cm 横57.0cm) |
ベルリン国立東洋美術館の日本画の保存・修復 |
羅漢は、修行を重ね、仏教の究極的真理を得て、人々から供養尊敬を受けるに値する聖人を指す。羅漢図は中国では唐時代から盛んに描かれ、日本にも奈良時代に伝えられた。本図は作者不詳であるが、原本は元画羅漢図と思われ、全体的に癖のある中国画的な表現をよくとどめている。また、自然を描く水墨画の手法には、14世紀後半に鎌倉地方で描かれたとされる羅漢図に通ずる描写手法も見られる。 今年度は本図と江戸時代の画家絵所左近筆の「烏芻沙摩明王(うすさまみょうおう)図」(17世紀)の2幅を修復する。 |