(像高52cm) |
木造男神坐像 |
古寺観音寺に伝来する本像は、京都・北野天満宮からの勧請(かんじょう)と伝えられている。観音寺の所在地和束町(わづかちょう)は、かって北野天満宮の社領であった(北野天神社文書による)と考えられ、本像が天神像として伝来された可能性を示唆する。 眉目を吊り上げ唇を強く結ぶ表情は迫力に富み、11世紀に遡りうる本像は当代の数少ない本格的な神像彫刻の遣品として注目される。 像は全体に亘り木質の風化、大きな虫蝕孔が著しく、陥没、割損箇所もあり、移動が不可能な状態。 本像は奈良国立博物館に寄託中で、修理後は、展示活動等を通じて広く一般に紹介する。 |