(高13.0p 幅9.6p 奥行6.3p)

黒漆塗舎利厨子(くろうるしぬりしゃりずし)

木製黒漆塗りの方形小厨子で、正面と側面の三方に扉を開けている。厨子扉内側の彩絵の主題は、釈迦八相のうちの主要な三相(誕生、説法、入滅)と八大国王による分舎利を描いており、奥壁には十六羅漢を四列四段に描き分けたものを添付している。個人の念持用であったらしく小振りであるが、細部に至るまで入念な細工が施されており、鎌倉時代に盛行した舎利信仰における遺品として貴重なものである。
修理後は、近年まで厨子に安置されていた阿弥陀三尊像(鎌倉時代末〜南北朝時代頃の制作と推定される檀像彫刻)とともに寄託先の奈良国立博物館に展示される。

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