牡丹面 菊面
32.0cm×34.7cm

 木造彩色菊牡丹透華鬘(すかしけまん)

  華鬘は仏殿の内陣や欄間などを飾る仏具であるが、弘法寺の所蔵になる2面の木製の華鬘は重要文化財に指定され、現在は東京国立博物館に寄託されている。2面ともに横長の楕円に近い団扇形で、一面には菊を、もう一面には牡丹を透かし彫りで表す。附属する黒漆箱の墨書銘から、康応元年(1389)以前の製作とわかるが、施された文様等の様式から推定される製作時期は鎌倉時代に遡ると考えられている。世界的にも現存作例が稀有な木製彩色の華鬘であり、日本美術史上の重要作例といえる。

 しかしながら、2面ともに経年の劣化により、各所で彩色の剥落や虫蝕孔等による欠損箇所がみられ、保存修理の必要性が認められる。本年度より2ヵ年計画で修復を図る。


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