吽形像

像高 198.5cm

  阿形

像高 184.5cm

 木造金剛力士立像

  施福寺は、奈良時代に行基が開山したと伝わる古刹である。

 同寺に伝わる金剛力士像は、吽形像顔面内部の墨書銘により作者が院興(いんこう)であることが判明している。神奈川県称名寺金剛力士像や京都府妙覚寺日蓮像を制作している仏師院興と同一人物である可能性が高い。院興は鎌倉時代末に活動していた院派の仏師であるが、本像は院興の最初期の作品と考えられている。破損が著しく各部材がバラバラになってはいるが、阿形像の面部を除いて主要箇所の構成材はほぼ残っており、鎌倉時代末頃の院派仏師の活動の一端を明らかにする貴重な資料といえる。

 2躯ともに経年の劣化が著しく各所に虫蝕・朽損がみられ、多くの部材が脱落・亡失し、脱落部材は別保存されている。本年度より5ヵ年計画で修復を図る。  


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