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像高 85.4cm |
木造 薬師如来坐像 |
西明寺は、大宝元年(701)行基が建立した後、承和元年(834)に空海が入り、以後真言宗に属したと伝わる古刹である。 本像は、同寺の本尊として祀られる薬師如来坐像であり、像内にあった墨書から永承2年(1047)の制作と考えられている。しかし、瞼の抑揚がつよい両眼、鼻梁の太い鼻や肉厚で引き締まった唇がつくる厳しい表情に加え、着衣に深く刻まれた翻波を交えた衣文など、総じて墨書に記載された年代よりも以前の様式を留めている。 前回の修理から百年以上が経過し、現状は像本体・台座ともに彩色の浮き上がり、虫損孔、木部の朽損が各所で認められ、放置すると損傷移行が発生する恐れがある。本年度より2ヵ年計画で修復を図る。 |