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本紙 123.0cm×54.8cm |
絹本著色 釈迦如来坐像図 |
石馬寺は、聖徳太子開基伝承を持つ古刹で、中世は天台宗寺院として栄え、江戸時代の正保元年(1644)に臨済宗妙心寺派の寺院として再興された。 本図は仏鉢を持つ珍しい如来像で、寺伝では「飯盛朱釈迦」と称される。彩色の方法、大衣の金泥文様などから朝鮮・高麗時代(14世紀)の作と考えられている。この仏画が同寺に伝来した経緯は不詳であるが、文化12年(1815)刊行の「近江名所図会」の石馬寺の項に本図に関する記載があることから、19世紀前期には石馬寺に伝来し、同寺を代表する什物として知られていたことがわかる。描かれる如来像については、釈迦如来ではなく、阿弥陀如来や薬師如来とする説もあるが、希少性の高い重要な作例といえる。 しかしながら、本図には本紙料絹の欠失や多数の横折れが見られ、さらなる損傷の進行が懸念される状況にある。本年度より2ヵ年計画で修復を図る。 |