「阿弥陀如来像」の修復

  ポズナン国立博物館は、1857年設立されたポーランドの最古かつ重要な博物館の一つである。同館は、ケルン東洋美術館の創始者である美術品蒐集家アドルフ・フィッシャーの蒐集品の一部を引き継いだものの、その大部分は第二次世界大戦の戦火で消失、本品を含む幾つかの文化財が奇跡的に残っている。
 修復助成対象の「阿弥陀如来像」は、表面の剥離が進んでいるため、保全紙に覆われた状態で長らく所蔵庫に眠っていた。また、過去に西洋ニスが表面に塗られるなど不適切な修復がなされており、その回復も必要となっている。
  2021年度助成にて、日本の専門家により、仏像の状態や原材料の分析等の現地調査が実施され、仏像本体は平安末期ごろの制作、光背・台座は後年のものであることが判明している。3年計画にて日本の専門家と同博物館共同で修復を行う。

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