小圃千浦筆 「北風、ポイントロボス」の修復

 モントレー美術館は、カリフォルニア州モントレーに1959年に設立され、10,000点以上の美術品を幅広く所蔵している。
  小圃千浦(1885‐1975)は、日系移民として戦前から戦後にかけ米国で活躍した画家である。紙、絹を基底材に、墨、天然岩絵の具を使用した土佐派の伝統的技法により米国の大自然を描き、ダイナミックな構図、独特の色彩、多様な描画スタイルで高い評価を受けている。
 本作品に描かれたポイントロボス(カリフォルニア州モントレー)は、現在、風光明媚な自然保護区となっているが、戦前は日系移民による漁業が栄え、社交の場でもあった日系移民にとって重要な場所である。地元のモントレー美術館の強い依頼を受け、小圃千浦の遺族が寄贈した。
  現状、画面全体に染みが広がり、本来の鑑賞を妨げているうえ、仮額装のままのため絹地が裂ける危険性があり、早急な修復が必要な状態である。米国の日系工房にて修復を行い、額装も仕立て直す予定である。

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