ロチェスター大学記念美術館(アメリカ)所蔵
俵屋宗雪筆「波に草花図屏風」の修復

 ロチェスター大学に附属するロチェスター大学記念美術館は1913年に設立され、歴史的にも地理的にも幅広く12,000点以上の美術品を所蔵している。
 修復助成対象の「波に草花図屏風」は、俵屋宗達の後継者と言われている江戸時代前期の絵師俵屋宗雪の作品である。主に夏から秋にかけて野に咲く草花を、金泥や金砂子を蒔いた波や堤を背景にして、画面に装飾を施し水墨に巧みに色彩を賦彩する技法で描かれており琳派の特徴をよく表している。
 現状は、過去の不適切な修復の悪影響により絵具の剥落や構造的な問題を起こしており、展示に耐えられない状態が続いているため、解体による全面的な修復が求められている。修復作業は、サンフランシスコ近郊の日系の修復所で行われている。
 

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