ポートランド美術館(アメリカ)所蔵
「厳島・日吉・山王祭礼図屏風」の修復

 ポートランド美術館は、1892年に設立され5万点以上の美術品を所蔵しているが、歴史的にも東洋と関係が深く、同館にとり東洋美術は重要なものとして位置づけられている。
 修復助成対象の「厳島・日吉・山王祭礼図屏風」は、左隻には厳島神社と賑わう街並みの景観、右隻には琵琶湖に臨む日吉神社の祭礼の様子を描いている。小ぶりで親しみが持てる人物の容姿や樹石の描写手法から、江戸時代17世紀の半ば頃、土佐派の系統の絵画を学んだ大和絵系の町絵師による作品と思われる。
 過去の数度にわたる不適切な修復のため状態が非常に悪く、全面的な修復が求められている。修復作業は、サンフランシスコ近郊の日系の修復所で行われる予定である。

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