クリーブランド美術館(アメリカ)所蔵
「繍仏阿弥陀三尊来迎図」の修復(事前調査)

 1916年に開館したクリーブランド美術館は、約7万点の所蔵品のうち約2,000点の日本美術品を所蔵しており日本美術に強みを持つといわれている。
 修復助成対象の「繍仏阿弥陀三尊来迎図」は、室町時代に制作され、阿弥陀如来と観音・勢至菩薩の三尊が、臨終の念仏行者を迎えに来る姿を刺繍により絵画的に表現しており、しかも刺繍には頭髪が織り込まれている珍しい作品である。
 過去の不適切な接着剤を使用した修復の影響による傷みがひどく、早期の修復が望まれている。2年計画のうち初年度の今年度は、本品のような刺繍素材の修復は同館にとり初めてであるため、奈良国立博物館や京都国立博物館の日本の修復専門家による指導を受けて最適な修復計画を策定する費用を助成するものである。2年目は本格的な修復作業が同館内の修復所で実施される予定である。

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