ネルソン・アトキンス美術館(アメリカ)所蔵「阿弥陀来迎図」の修復

 1933年に開館したネルソン・アトキンス美術館は、約35,000点の世界中の美術品を幅広く所蔵しているが、その内、日本美術品は2,000点以上所蔵している。
 修復助成対象の「阿弥陀来迎図」は、13世紀後半、鎌倉時代の作品で、浄土信仰に基づき、衆生の臨終に際し極楽浄土に迎えるために阿弥陀仏が観音菩薩と勢至菩薩を従えて人間世界に降り立ってくる様子を描いているものである。本作品は截金(きりかね)等の装飾が施され鮮やかに描かれている。
 現状は、台紙は固くゆがんでおり、それにより絵がひどく傷んでいる。またシワ、シミ、穴等が多く発生し絵の具の欠損もあり、展示または公開することができない状態であるため修復が急がれている。 修復作業は、ニューヨーク在住の日本人修復師が行う予定。

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