ハーバード美術館(アメリカ)所蔵
「長恨歌図屏風」の修復

 ハーバード美術館は、ハーバード大学附属の3つの美術館(フォッグ、ブッシュ・ライジンガー、サックラー)の複合体の総称であるが、2014年11月に一つの建物の中に統合された。収蔵品は250,000点を超え、日本美術品は18,000点程、所蔵している。
 修復助成対象の「長恨歌図屏風」は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて作成された狩野派絵師による作品。中国主題の障屏画は多くが失われ、現存するものは少ない上、狩野派が「長恨歌」などの中国主題をどのように消化し、金地著色として発展させていったかを知ることのできる貴重な作例である。しかし乍ら、20世紀初めの収蔵以来、損傷が大きかったために公開されてこなかった。
 現状は、パネルが分断され構造的に脆弱であり、多くの欠損や浮き、絵の具の剥落、傷等で画面の状態も悪く修復が急がれている。修復作業は、日本の修復所で行われている。

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