サンフランシスコ・アジア美術館(アメリカ)所蔵
「住吉祭礼図屏風」の修復

 1966年に設立されたサンフランシスコ・アジア美術館は、西洋ではアジア美術に特化した最大級の美術館のひとつである。18,000点以上の美術品を所蔵しており、その中でも日本美術品は、5,000点以上所蔵している。
 修復助成対象の「住吉祭礼図屏風」は、多くの参詣者で賑わう住吉大社の境内と住吉大社から御旅所まで練り歩く神輿渡御の行列を描いた屏風である。伸びやかな表情をもつ人物描写が特徴的で躍動感に溢れ、江戸初期に風俗画を得意とした町絵師によって描かれたと思われる祭礼風俗図の優品である。
 現状は、絵の具の剥落、破れ、穴、汚れ、欠損等が多く非常に脆い状態で、過去の度重なる不適切な修復による悪影響もあり、安全に開くことは困難である。修復作業は、日本の修復所にて行われる予定。

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