ジョーダン・シュニッツァー美術館(アメリカ)所蔵
「神社で祈る行基の図」の修復

 ジョーダン・シュニッツァー美術館は、1933年にオレゴン大学付属美術館として設立された。13,000点以上の東洋から西洋に亘る幅広い美術品を所蔵しており、その中でも日本・中国・韓国を中心とするアジア美術品は約3,700点以上。
 行基(668〜749)は、奈良時代の僧で、諸国を巡り布教や社会事業を行い、後に聖武天皇の帰依を受け、東大寺・国分寺の造営に尽力、大僧正に任ぜられた。修復助成対象「神社で祈る行基の図」は、伝統的な大和絵の例であり、同館で所蔵する作品の中で最も古い部類に属す。神社の前で祈る行基を描いており、学術的にも大変重要な作品である。
 現状は、経年劣化により非常に脆い状態であり展示ならびに研究等の使用に耐えられないため、修復が急がれている。修復作業は、サンフランシスコ近郊の日系の修復所で行われる予定。

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