アフガニスタン「メス・アイナク」仏教遺跡出土塑像などの保存修復

 首都カブールから南東へ40キロほどの所にメス・アイナク(Mes Aynak)仏教遺跡がある。この地域は、紀元前3世紀から8世紀頃、アフガニスタン東部からパキスタン北西部にかけて広がっていたガンダーラ地方の仏教信仰の中心地として、また経済の中心地として栄え、そこには寺院や多くの仏像仏画を含む仏教遺跡が残されている。 
 しかし一方で、メス・アイナクは大規模な未開発銅鉱床があることでも有名で、アフガニスタン政府が中国企業に採掘権を売り渡し、同企業は大掛りな露天掘りによる採掘を計画している。この為、遺跡の多くは早晩、破壊され消滅の危機にあるが、その前に発掘と出土品の移転が行われている。
 出土品は、塑像、木彫仏、石彫仏、壁画、宝飾品、古文書、コインなどすでに千数百点に及んでいるが、破損したままの状態で保管されている。
 2年目となる今年度は、カブール国立博物館に収蔵されている遺物の内で保存状態が著しく悪く、緊急性の高い塑像等を優先的に修復する予定。

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