バークレー美術館(アメリカ)所蔵
彭城百川(さかき ひゃくせん)筆「山水図屏風」の修復

 バークレー美術館はカリフォルニア大学バークレー校に付属する1963年に設立された美術館で16,000点以上の美術品を所蔵している。
 修復助成対象は、日本で初めて本格的な中国南宋画様式による山水図を描き、法橋にも叙された彭城百川(1697-1752)による作品である。初期の南画としては珍しい繊細な筆使いや表面の精緻な処理、広く空間をとり雰囲気を醸し出すなど、中国絵画における百川の本領を発揮している。
 現状は、深刻な酸化、銀箔下地の黒変が進行し、内部の骨の接合の外れ、多数の欠損や傷、まくれ、過去の応急処置による傷み、破れ等が多く、非常に脆い状態であるため修復が急がれていた。修復作業は、サンフランシスコ近郊の日系の修復所で行われている。

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