ベトナム国立歴史博物館所蔵「阿弥陀如来立像」の修復

 ベトナム国立歴史博物館は、1910年に設立されたフランス極東学院博物館を母体とする博物館で、全国各地からの出土資料や、阮王朝の遺品をはじめとする膨大なコレクションを有している。
 修復助成対象は、鎌倉期の優品。1943年フランス極東学院と東京国立博物館との文化財交換事業で送致され、同国激動の時代を乗り越え現在まで受け継がれてきたもので、両国の文化交流の歴史の証と言える。
 経年劣化のため、全ての部材が緩み、脱落した部材は不適切な接着補修により接着剤が広範囲に染み出すなど美観を損ねており、適切な修復が急がれる状態にある。

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