中国内蒙古自治区トルキ山遼墓主人の頭部装飾品

  内蒙古自治区トルキ山の遼代墳墓(10世紀始め)から発見された女性被葬者の頭部とその装飾品である。この被葬者は遼王朝の皇族か高位の者であると判断される。頭部は彫金された金帯で結んでいる。金帯に施された彫金は鸚鵡・草花などを極めて精緻に描いており東アジアにおける当代工芸技術の到達点を示すものである。頭髪は左右に分けて束髪し、髪を羅や綾の絹織物で包んでおり、絹織物には、印金による文様が施されている。印金は中国では元・明代に流行し、日本では室町時代に珍重されたが、この印金の実物が遼代の墓で発見されたことになる。

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