古代都市ウストゥアルマ(ウクライナ)から出土した中国漢時代の漆器函の修復・復元

 クリミア半島南西の古代都市ウストゥアルマに所在する紀元後1世紀の貴族墓から発見された中国漢時代の漆器の修復を行う。
 墓室4基から5点の漆箱が発掘されており、中でも720号基からはほぼ完全な箱の形を保った漢時代の漆箱が出土したが、その後の地上環境の影響により、木芯が消失し現在は塗膜だけになっている。残存している漆塗膜の形状と文様や出土時の復元図を手がかりに、環境の変化によって動くことのない木材で安定した構造の同様の形の箱に残存している漆塗膜を貼り、良好な漆塗工程を施し、復元のための箱を制作する。
 修復作業は漆芸家北村昭斎氏と京都造形芸術大学 歴史遺産研究センターの岡田文男氏の共同で行う。

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