米国NYバーク財団所蔵 伝海北友雪筆源氏物語絵巻(2巻)の修復

 江戸時代、その描写形式の特徴から、海北友雪の作とみなされる絵巻。海北友雪はその父であり師でもあった友松の死後苦境に落ち絵屋を営んでいたが、春日局の介入により宮中に職を得るなど、桃山、江戸初期の動乱期に数奇な運命を生きた作家の一人である。
 本絵巻は全巻にわたり折れ損傷とシミが生じており、特に巻末の破損は甚大である。巻子状態を解体して1紙ごとに顔料の剥落止めを行い充分に乾燥の後にクリーニングを行い損傷箇所の修理、折れ止めを施して裏打を行い、元通りの巻子本に仕立てる。修復は米国にて行われる。

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