チェスター・ビーティ図書館(アイルランド・ダブリン)所蔵「竹取物語絵巻」
(2巻)の修復

  17世紀、江戸時代初期に制作されたと考えられる絵巻。狩野派による作品で、狩野長信(1577〜1654)の画風に近いと考えられる。
 「竹取物語」絵巻として最古であるだけでなく、その文字や絵についても第一級の美しさを持つ作品で、最後のかぐや姫の昇天の場面は、特に優れており、この頃の奈良絵本・絵巻と呼ばれる作品群の中でも最高級の作品と言えるもの。
 保存状態が悪く、特に巻末に見られる折れは、鑑賞ができないほど。現状では、研究者に対しても閲覧できない状態であり、早急な対応が必要。修復はオランダ・ライデンの修復所で行われる。

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