ベルリン東洋美術館(ドイツ)所蔵 「豊干に虎・雲龍図」の修理

 本図は、江戸時代狩野派を代表する狩野探幽が、当時の画家としての最高位である法印に叙せられる直前の数え年61歳の時(1662年)に描いた作品である。雲龍は探幽が得意とした画題であり、本図は中国唐時代の奇行で有名な禅僧である豊干と虎を中幅に、雲龍を左右幅に添えて描かれている。 
 探幽の筆になる雲龍図障壁画は日光東照宮陽明門を始め数多く遺っているが、この三幅対も掛幅に描かれたそのみごとな一作例である。
 横折れが多数発生するなど状態が悪く、日本にて2年間の計画で修復を行う。

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