ルーマニア・モルドヴァ地方におけるバリネシュティ聖ニコラエ聖堂
保存・修復事業

   バリネシュティ聖堂は、ルーマニア北東部モルドヴァ地方グラメシュティ郡に位置し、15世紀末(1490年代と推測)、シュテファン大公の宮廷で外務卿を勤めたヨアン・タウトゥの館に、早世した子供たちを供養する目的で建設されたものである。ベーマ、ナオス、プロナオスからなる三室構成で、南面に玄関廊をかねた鐘楼が接続されている。この聖堂は、規模は小さいが、優れたフレスコ画を有し(修道僧ガブリル・イェロモナハの作になる)、芸術性という意味では中世モルドヴァ建築の粋ともいえる建築である。2002年のルーマニア文化省との共同調査の後、2003年より建築物及び内外の壁面に描かれた絵画の修復を開始し、本年度で3年目となる。

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