中国内蒙古自治区トルキ山遼墓出土 「彩色木棺」の修復と保存

 遼代初期、西暦920年頃の築造と考えられる吐尓基山墳墓から2003年に発掘された彩色木棺で、外棺、内棺、棺台から構成される。
 いずれも金の切箔技術を使った高度な工芸品で、彩色の残りも良く、赤、青、緑、白、黒、金の彩色が確認できる。しかし発掘の後、徐々に乾燥が進んでおり、歪みが見られる他、彩色部分が粉体化し、また金箔の剥がれも激しい。白色腐朽菌による部分的な木部の崩壊もある。早急な保存対策が必要で、外棺、内棺、棺台の順に3カ年に分けて修復を実施する。
 本年度は最も金箔の剥落が激しい外棺の修復を行う。

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