「春」                  「夏」
(各本紙 縦130.3cm 横60.6cm)

田能村(たのむら)竹田(ちくでん)関係資料帆足家伝来「四季花鳥図」

  田能村竹田(1777〜1835)は、江戸時代後期の南画(文人画)家。修復対象の「四季花鳥図」は文化6年(1809)竹田が33歳の時に描いた、初期の花鳥画を代表する優品である。冬・春図は3月、夏図は5月、秋図は10月の作で郷里の岡津(現大分県竹田市)で家族と過ごし、庭の花々が咲く毎に、季節を追うように描き継いでいったと思われる。
 本図は、竹田の弟子であった帆足杏雨の子孫にまとまって伝えられた一括資料の一つで、平成18年から国の補助を受け継続的に修復してきた最終年度の対象作品である。
 現状、4幅全てに大きな横折れがあり、また変色や汚れにより絹地のトーンに差異が生じているため、並列展示するとばらつきが目立つ。修復は4幅同時に行い、各々の絹地の色合いを整える。

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