像高160.3cm

木造薬師如来立像

  本像は、カヤ材の一木造りで、漆箔で仕上げられている。腹から両脚にかけて衣の襞の流れをY字状に表しているところから、京都神護寺の薬師如来立像に通じ、平安時代初期の古い様式を示している。全体的に、重量感が感じられる仏像である。
 現在は、県指定と同時に建設された保管庫に厳重に保管されており、幸い虫食いや腐朽などはほとんどなく、躯体の保存状態は比較的良好である。
 しかし、左手・左袖などが欠損し、像表面の漆箔の剥落も目立ってきたので、現状のまま放置すれば、さらに傷みが激しくなり現状維持が困難になる。修復は、剥落止め、可能な限りのクリーニングを施すが、現状維持を基本としつつ、新たに方座を造る予定。

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