釈迦如来坐像 像高93.0cm

 木造釈迦三尊坐像

  愛知県一宮市に所在する妙興報恩禅寺は貞和4年(1348)に滅宗(めっしゅう)宗興(そうこう)によって創建され、17年後の貞治4年(1365)には滅宗の師である大応国師を開山として落成した。その後足利将軍家、尾張守護代織田家の尊崇を集め、後には豊臣秀吉から所領安堵される典型的な地方禅林として評価を受けている。
 木造釈迦三尊像は現在彿殿に安置されているが、貞治4年に完成したと記録に残される彿殿本尊がこの釈迦三尊像に相当すると推定されている。現状は、本体のみならず装身具や光背・台座など他に類をみないほど良好で、日本の南北朝時代彫刻史を構築するうえで重要作例と考えられている。
 しかし文化財指定以後修理を受けておらず、本体・台座・光背の各部分とも、経年変化により各所で矧目の緩み、離れがみられ、表面金泥塗の剥落が著しい。

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