像高 109.5p 坐高 67.7p/胎内納入物

 木造大応国師坐像及び同胎内納入物

 円福寺は、寺伝によれば建治3年(1277)大応国師を開山に仰いで開創した(勧請開山)と伝える。
 本像は、寄木造・玉眼嵌人による本格的技法がみられる像で、鎌倉期以降に盛行した頂相彫刻のなかにあって、作ぶりの優秀さ、造立年代の古さ、稀少性において、重要な位置を占めている。また、本像は数少ない大応国師像の中にあって、国師の晩年期の姿を伝えるものとして貴重である。
 昨年度の坐像修復事業の際に、エックス線撮影で判明していた像内の五輪塔型舎利容器以外にも多くの納入物が発見された。
 虫食いや鼠害をはじめ、各所で矧ぎ目がゆるみ、彩色の剥離等の損傷も進行しているので、早急な保存修復が必要である。昨年度に引き続き坐像の損傷を修復するとともに、胎内納入物についても調査・修復を行う。

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