(縦19.8cm 横1733.9cm)

  宋版 妙法蓮華経

 宋版妙法蓮華経一巻は、中国・南宋時代12世紀に臨安府(現在の浙江省杭州)で印刷された版本で、巻頭には印刷による釈迦説法図の見返し絵が装着されており、その左隅には「呂斌刀」という刻工名が見られる重要な作品である。中国・南宋時代を代表する小形の細字本は、そのほとんどが断簡として残っているのみであり、完全な形で伝来していることは貴重であり、印刷文化史上においても重要な作品と位置づけられている。
 現在、京都国立博物館に寄託されているが、経年による擦れ、折れ、汚れと虫損が目立つため、これ以上傷みが進行しないように、適切な修理を実施する。また本来は折本装であったものが、巻子装に改装されていることから、この機会に本来の折本装に戻して保存と活用を図る。

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