高 46.5p

 上福岡貝塚出土片口土器(かたくちどき)

 上福岡貝塚出土片口土器は関東地方の縄文時代前期(前4000〜前3000年)の開山式土器の代表例として古くから著名なものであり、国の重要文化財にも指定されている。寄託を受けている東京国立博物館では、平常展示に使用している。
 経年変化により接合部ならびに石膏補填部にゆるみが生じ、このままでは作品の移動や展示にも支障をきたす恐れがある。また、器形のゆがみが作品の正確な鑑賞を妨げてしまっている。
 修復は、旧接合部を完全解体し、接合面の状態を確認しながら、現状の器形を尊重しつつ再接合を行う。また、保存修理過程で得られたさまざまな考古学的情報を各方面の研究者に提供する予定である。

Copyright (C) The Sumitomo Foundation. All Rights Reserved.

前ページに戻る