東方天 像高 145.5p  

 木造二天立像

 愛知県豊田市平勝寺の所蔵する本像は、本尊聖観音菩薩坐像(重要文化財)の眷属(けんぞく)であり、均斉のとれた動きの少ない静かな像で、やや地方色はあるものの平安後期に特有のおおらかさが感じられる。この二天は恐らく四天王残存の二躯で、多聞天と持国天の如く思われるが、共にはなはだしく破損し欠損部分がある。
 現状では、足ほぞと、それを受ける邪鬼のーほぞ穴の両方が虫蝕朽損のため東方天は自立することができず、西方天も辛うじて立っているだけで、安定を欠く。
 修復は、彩色の剥落止め、矧目の接合、足ほぞ周辺の構造強化、像の保全のための方座の新造を計画している。

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