本紙 縦 142.4p 横 79.7p

 絹本墨画淡彩 雪景山水図(せつけいさんすいず)

 足利市に所在する鑁阿寺の所蔵する本作は、大幅の山水図で、15世紀後半〜16世紀前半頃に中国・明の漸江省(せつこうしょう)近辺で活躍した画人の作と考えられる。箱書き等から、寛政6年(1794)に水戸の六蔵寺(六地蔵寺)の所蔵であった本作が水戸徳川家に献納され、文政3年(1820)に所蔵先が変わったことがわかる。
 本作は新出であるばかりでなく、近世以前に日本に伝来していたことが確実な例で、希少な浙派(せつぱ)作例としても極めて貴重である。
 修復は、表面のカビを落とし、折れや切れを補修して表装を新たにする予定である。

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