像高 97.7p

 木造阿弥陀如来立像

 国宝御影堂に安置されている阿弥陀如来像。右肩を露出させる着衣法はわが国平安時代以降の如来像では珍しいものである。国宝「法然上人絵伝」第37巻に病床の法然の枕もとに置かれ、入滅後、桑原左衛門入道の宅内に置かれた阿弥陀如来像がこれと同じ着方なので、同一像かと推定されている。そうであれば、法然没時の建暦2年(1212)頃の造立とな
り、作風からいってもその頃の京都仏師の作と見ることができる。
 本像は昭和14年国指定になり、同37年に剥落止め及び矧ぎ目の緊結などの修理がなされているが、その後、経年による埃が付着し、表面漆箔の剥落や浮きが各所に見られる。特に右手部、右腰から下の体部、左
裾先部の浮きが甚だしく、早急に修理する。

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