本紙 縦 111.0p 横 43.5p

 絹本著色 地蔵菩薩像

 本図は、顔を正面に向け、身体を右方向にひねりながら踏み割り蓮華に立つ地蔵菩薩を描く。繊細な像容や緻密な彩色を特徴とする優れた高麗仏画であり、13世紀に遡る韓国絵画の重要作例として注目されている。また、伝統的な高麗仏画の範疇で捉えるべき作例ではあるものの、細身で伸びやかな肢体は宋からの影響を想起させて興味深い。
 本図には少なからぬ損傷があり、掛幅の開閉に際して顔料や本絹等が欠落する恐れがある。
 修復は、解体して旧補絹を除去し、絵具層剥落止め、欠失箇所の補絹、裏打ち紙・表装裂地・軸首等の取替え、桐太巻添軸・桐箱の新調を実施する。

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