像高 81.0p

 木造織田有楽斎(おだうらくさい)坐像

 本像は、織田信長の弟にして、茶人としても著名な織田有楽斎(名は長益、1547〜1621)の肖像彫刻である。
 本像が伝わる建仁寺塔頭の正伝永源院は、有楽斎によって再興され、彼が晩年を過ごした正伝寺の寺跡を継ぐもので、「口水集」にいう有楽斎の肖像彫刻はまさに本像のことを指していると考えられる。
したがって本像は、数少ない織田有楽斎の肖像彫刻ということにとどまらず、像主みずからが制作依頼したことがわかる貴重な作例といえる。
 現状経年による劣化により、表面の彩色が剥落し、首や手のまわりなどの接合部分が不安定な状態となっている。

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