縦 26.6p 横 20.8p 高 19.5p

 「菊桐紋(きくきりもん)蒔絵眉作(まきえまゆつくり)箱」

 黒漆地に金平蒔絵(きんひらまきえ)と絵梨地(えなしじ)で菊桐紋を散らし、
高台寺蒔絵(こうだいじまきえ)の典型を示す、眉作箱(まゆつくりばこ)の修復。高台寺蒔絵は近世、近代を通じて作られるが、本品は金粉の形質や菊桐紋の形式から、16世紀に遡りうる貴重な品である。また、眉作箱という器形の成立期が未詳な中、桃山時代の蒔絵の特徴を示す本品は、眉作箱としてはおそらく最古の現存例であり、婚礼調度の研究上も重要な文化財である。
 本事業では全体をクリーニングし、表面の破損を漆下地で整え、外れた部材を接着し、ゆがんだ紐金具を矯正して、隅金具の釘を打ち直した上、保存箱を新調する。

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