無量義経 見返し 縦 26p前後 横 260p前後

 法華経一品経 阿弥陀経 般若心経

 国宝法華経一品経・阿弥陀経・般若心経33巻は、慈光寺経といわれ、平家納経、久能寺経とならび三大装飾経の一つに数えられる優品である。鎌倉時代の代表的装飾経であることから、仏教美術についての展覧会への出陳要請も多い。
 13世紀初頭に九条家ゆかりの人々を中心に後鳥羽上皇も加わり書写・制作されたことが推定されている。作風は、王朝文化の遺風を伝えるもので、金銀の箔、砂子による霞、蓮弁、彩色花文を基調に、見返しにはやまと絵風のものもある。
 現状は、概ね経年による金属泥部分の欠落と本紙の縦皺による傷みが著しい。解体して剥落止め、カビ除去、補紙と折れ伏せによる補修を行う。第一次修理事業が平成20年度より3ヵ年実施されており、今年度から行われる4ヵ年の第二次修理事業に参加する。

Copyright (C) The Sumitomo Foundation. All Rights Reserved.

前ページに戻る