「忠岑(ただみね)集 伝為家筆本」 本紙 縦 22.6 p 横 14.4p

  私家集

 冷泉家に伝えられた私家集4巻83冊196帖は、わが国和歌文学の根本資料であり、これなくしては、現在の和歌文学の存在は考えられない。その多くは現存する流布本の親本であり、それぞれの家集を考察していく上で大変貴重なものである。本年度修復予定は平安私家集の内、鎌倉時代中期の写本6帖。
 「忠岑(ただみね)集 伝為家筆本」は、『古今和歌集』編纂者の一人壬生忠岑の家集で、宮内庁書陵部蔵本の祖本。
「忠見(ただみ)集」は、壬生忠岑の男、忠見の家集は、この他に鎌倉時代まで遡れる写本はない。「伊勢大輔(いせのたいふ)集枡形本」は、平安時代中期女流歌人伊勢大輔の家集。
「中納言俊忠集」は、俊成の父、定家の祖父である藤原俊忠の家集。「匡衡(まさひら)朝臣(あそん)集」は、平安時代中期儒者大江匡衡の家集)は、宮内庁書陵部蔵乙本の親本。
「為仲(ためなか)朝臣集」は、平安時代中期橘為仲の家集。
いずれも虫損等甚だしく、料紙片欠落の恐れもあり、修復が急がれる。 

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