本紙 縦 136.0 p 横 126.0p

  木造毘沙門天立像

 本像は、平安時代後期の毘沙門天像で、像内に制作当初の摺仏(すりぼとけ)資料(毘沙門天印仏(いんぶつ)50紙など)が納入されていた仏像である。
 檜の一木割矧造りで、彫眼、彩色・漆箔仕上げとする。頭・体部は均斉がとれ、動きを控えた姿態は破綻がなく、平安後期の温和で、優美な表現を踏襲する。彫り口も洗練化され、かつ優れた造形感覚が感じられる。
 現状、頭部と腕が外れており、右肘より先、左前膊半ばから先、右沓先などが欠失している。修理は、台座も含めていったん解体し、欠損部を補い、再組付けし、新補個所は古色仕上げとする計画である。

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