像高 33.6 p

  木造薬師如来坐像

  本像は、奈良市大慈仙町公民館に安置されている平安時代後期の木造薬師如来坐像である。
 地域史料の「大和志」によると、「廃大慈仙寺」の記述があり、鎌倉時代初期には東大寺と深いかかわりのある寺院が大慈仙に所在していたことがうかがえ、廃寺となった寺の仏像の可能性が示唆される。平安時代の作例として、台座にいたるまで多くの当初部材が残されていることが貴重である。
 現状仏身の各矧ぎ目が遊離し、欠失、虫害が像のいたるところに認められる。修復は、仏身・台座の後補部を精査し、脆弱な木部の強化、両手先、蓮弁等の復元修理を行う。

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