本紙 縦 85.5 p 横 33.5p

  絹本着色 吉祥天曼荼羅

 佐賀県白石町(旧有明町)の玉泉坊が所有する本図は、中央に吉祥天を大きく描き、頭上に白象、下方に梵天・帝釈天、四天王を配している。
作例はきわめて稀であり、南北朝時代(14世紀)の制作と思われ、鎌倉時代作のMOA美術館本(重要文化財)に準じる価値を有するものと思われる。
 白象の頭部などに補絹が認められるものの、制作当初の筆線や彩色は十分に残っている。
 表装の痛みが激しく、画面には強い折れや折れ山の摩損も見受けられ、現状では懸架することが困難である。掛幅装本来の形態で鑑賞されるよう、早急な保存修理を実施する必要がある。

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