本紙 縦 136.0 p 横 126.0p

  木造千手十一面観音菩薩坐像

  岩井谷熊野神社(市指定史跡)は険峻な急崖に大巨巌が開口する洞窟の前面に鎮座し、社前には栃の巨木が神木として巨巌と対峙する。当社には、本像をはじめ、平安〜江戸期制作の像が5躯安置され、神仏習合を色濃く残している。
 当社に保管された数枚の古い棟札によると、延暦17年(798)に坂上田村麻呂将軍創建とし、熊野三所権現と号し薬師如来の奥院と記されている。
 造形面からは、密教尊像風が濃厚に感じられ、現状は著しい虫損により、本像の約8割が欠失している。今回の修復で現存部分の崩壊を阻止し、アクリル・エボキシ樹脂での強化を行う。

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