画題 「六道・鬼趣」 各幅 本紙 縦 172.0p 横 85.0p

狩野一信筆 「五百羅漢図」

 増上寺山内の源興院住職が造主となり、狩野派の絵師・狩野一信により嘉永7年(1854)から文久3年(1863)まで約10年間を費やして描かれた。全
百幅の絹本着彩画で、各画にほぼ5人ずつの羅漢様及び諸景物が描かれ、百幅あわせて五百羅漢現出の様態が、執拗ともいえるほどの描きぶりで精細に表されている。
 狩野派の伝統的な画法に加え、洋風の陰影法など新しい手法も取り入れた、江戸時代末期絵画の貴重な作例。
 修復は、膠による剥落止め、汚れの緩和、裏打ち替え、折れ伏せ。表装裂地修理、仕立て直し等を実施する。特に傷みのひどい10幅について、2
ヵ年の予定で修復を行い、修復後に江戸東京博物館で全100幅を展示・公開する予定。

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