像高 97.2p

木造十一面観音立像

 本像は、京都市伏見区に位置する浄土宗の古刹、常泰寺に伝来した十一面観音の立像で、その制作は10世紀にまでさかのぼる。
 古仏にめぐまれた京都の地にあっても、10世紀の仏像は限られており、大変貴重な作例といえる。本像の場合、現状では足回りに大きな傷みがあり、安置に際しても、きわめて不安定な状況である。また、像の表面にも剥落や、虫蝕孔などの傷みが顕著にみられる。
 今回の修復では足回りを強化し安定を図るとともに、本来の端正な像容をなるべくとりもどすことができるように、表面の剥落止めや、虫蝕孔の
補正等を行なう。

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