花薄扇面 (本紙 縦17.9p 横51.4p)

山口素堂(そどう)筆「花薄扇面(はなすすきせんめん)

 山口素堂(1642〜1716)は芭蕉のもっとも心を許した親友で、儒学の素養があると同時に俳諧もたしなむ文化人。
 芭蕉の作品に序跋を与えるなど親交が深い。文人趣味の強い人であるが、書画の作品で現存するものは少ない。
 本作品は、萩(はぎ)と薄(すすき)の優雅な絵柄の扇面に、素堂が「そろべくや小野のお通が花薄  素堂」と発句をしたためたもの。「小野のお通」は「浄瑠璃十二段草子」の作者といわれる才女で、和歌・書画・琴などに優れていたという。
 本紙の折れが甚だしく、表具に破れも見られ、修復が急がれる。

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