像高 91p

木造十一面観音立像他1躯

 平成19年3月25日の能登半島地震後に、石川県宝達志水町が文化財に対する被害調査を行ったところ遍照寺十一面観音像他1躯について被害報告があった。
 調査によれば、町指定文化財である平安時代の十一面観音像(本尊)と、被害調査後に指定となった室町時代の千手観音の損傷が大きく、2躯とも修復を要する事となった。遍照寺は、平安後期には能登半島最古の荘園(菅原荘(すがはらしょう))内に所在しており、荘園の支配者藤原基頼(もとより)(藤原道長の次男、1040〜1122)により寄進され、北野天満宮の領地となった。 
 今回修復する十一面観音像は、天満宮から送られた分霊に関わるものと考えられており、千手観音像は、戦国時代末期に前田利家が当地を支配した際に奉納されたものとみられている。
 2躯ともに、各矧ぎ目が緩み、離れており、転倒防止の支えが無いと倒れてしまう。

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